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全体 はじめに プロフィール 心の病をこう見てみよう―総論― 各論1、単極性うつ病 各論2、双極性障害(躁うつ病) 各論3、神経症性障害 各論3-1 心身症 各論3-2 神経症性うつ病 各論3-3 強迫性障害・依存症 各論4 統合失調症 エッセイ 日記 トラックバック おしらせ 以前の記事
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さて、この状況で起きていることを精神分析的(風?)に説明するとこうなります。 女は男に対してもともと怒りを「抑圧」する傾向があった。朝、男が愛想がないことに対して、女は男に怒りを覚えたが、そのことは意識化されず、女のその怒りの感情は、男に「投影」され、女は自分が怒っているのではなく、相手(男)が怒っているように感じた。 男が怒っていると感じた女は、男をなだめようとするが、なだめる作業そのものによって、もともと男の中には殆ど存在していなかった怒りの感情が「膨らまされ」、男は実際に怒りを感じるようになった。しかし、男にしてみれば言われもないことで「怒っている」と指摘され、そのことを否定するにつれて実際に怒っていることを認めざるを得なくなり、最終的にはその怒りの感情を女に「本当にあなたって、いつも怒りっぽいんだから・・・」という形でなだめられるという、不条理な出来事を、ただ受け入れざるを得なくなってしまった。 要は、女は自分の“怒り”を男に押しつけ、男をなだめることで、本当は自分自身の中にあった“怒り”を鎮めた、ということです。 このような出来事は日常にあふれています。そして、このような出来事が起きる背景には、誰もが本当は持ち、それぞれが引き受けるべきはずの、“怒り”“憎しみ”“狂気”といったものをあたかも「ババ抜きのババ」のように扱い、最終的にババが集まった人間に一手にその責任を引き受けさせ、まるで病人や犯罪者扱いにすることで「私は正常で、あの人は異常だ」という(偽りの!)安心感を抱くという、「投影」というメカニズムが働いているのです。 それでは、上記のやり取り(「交流分析」という心理療法の分野では「ゲーム」と呼びます)から抜け出す方法はないのでしょうか?次回説明していきます。 ※「こんなことを言うあなたは、よっぽどの人間なんだろうねぇ。」と、批判される方もいらっしゃると思いますが、私は自分が一切「投影」を行わない、完璧な人間だとは全く思っていません。(かなわない夢とは知りつつ、目指したいとは思っていますが・・)この瞬間にも、多分私は、誰かに自分の「影」の部分を背負わせ、相手を「狂人」「犯罪者」にすることで、自分の安定を保っているのだと思います。ただ、そのことを知っているか、知らないかの違いはあると思いますが。
by k-naruwo
| 2004-08-11 12:39
| エッセイ
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