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過去の「学習」自体は、その人にとって必ずしもマイナスなものではありません。その人が生活せざるを得なかった環境を生き抜く為に、小さい子供なりに必死で考えた「工夫」ですし、このような「工夫」は、誰しも行いつつ生きてきているはずだからです。(自分の欲求通りに動けてしまった経験が長い人が、「それでは通用しない環境」に身を置いた結果、精神科的に問題が生じてしまうほうが、結果的に治療が困難になってしまうことが多いです。「自分を環境に合わせる」という能力が極端に退化しており、「何が何でも、自分の思うとおりに環境を変える」という工夫や、遊牧民のように「その場から離れる」という工夫しか考えられなくなってしまうからです。「ほどよい不満足感」は成長する上では必要な要素です。) 問題なのは、あくまでも「ストレスの器」からストレスがこぼれてしまうまで、自分の内なる欲求に目をそむけてしまったことです。 そして、このような方の問題が更に混乱していくこととして、「脳」がストレスを対処する為に(やむを得ず)行っている工夫を、「こころ」は、「余計なお世話」と捉え、「ストレスを対処する為に行っている工夫が、結果として新たなストレスを生み出してしまう」という悪循環が生じてしまいます。 そうすると、元々の「器からストレスがこぼれてしまった出来事」とは一切関係なく、「症状が起きていることそのもの」がストレスとなり、そのストレスを処理する為に「症状」を起こすという、いわゆる「マッチポンプ」的な閉鎖系を作り出してしまうのです。 さて、このような状況まで追い詰められてしまった方の「治療」として ①「症状が症状を生み出す」という悪循環を断ち切る ②その上で、今後ストレスがこぼれない為の、「より上手な工夫」を行っていく ことが、あげられます。 今後は、具体的な疾患の成り立ちと、治療・養生の工夫について説明をしていきます。
by k-naruwo
| 2004-08-22 22:19
| 各論3、神経症性障害
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